ISO45001「箇条4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定」について

2018年11月14日

ISO45001における「箇条4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定」では、労働安全衛生マネジメントシステムに影響を及ぼす活動・製品・及びサービスなどの適用範囲を定め、文書化した情報として保有しておく必要を規定したものです。
今回はこの「箇条4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定」について詳しくご説明しましょう。

箇条「箇条4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定」は、OHSAS18001:2007において4.1一般要求事項の一部に該当する内容です。付属書SL(Annex SL)の採用によって追加された要求事項でもあり、労働安全衛生マネジメントシステムが適用される境界及び適用可能性を決定することを要求しています。では、具体的な条文を見てみましょう。

※『』内は条文の引用
『4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定
組織は,労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなければならない。
この適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を行わなければならない。
a) 4.1 に規定する外部及び内部の課題を考慮する。
b) 4.2 に規定する要求事項を考慮に入れる。
c) 労働に関連する,計画又は実行した活動を考慮に入れる。
労働安全衛生マネジメントシステムは,組織の管理下又は影響下にあり,組織の労働安全衛生パフォーマンスに影響を与え得る活動,製品及びサービスを含んでいなければならない。
労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にしておかなければならない。』

ここでのポイントは2つあります。まず、労働安全衛生マネジメントシステムを適用する境界線をどのように定めるかということ、次に文書化した情報にして保存するということです。
適用範囲についてですが、規格要求事項には以下のように定められています。
『自社の管理下または影響下にある、自社の労働安全衛生(OH&S)パフォーマンスに影響を与え得る活動、製品及びサービスを含むこと』
これはつまり、どのように組織上の境界線を選択するかということになります。
これには、組織の状況についての知識が問われます。箇条4.1や4.2で組織の状況や利害関係者のニーズや期待について細かく規定していますが、そこでの内容をこの段階で反映させる必要があるということです。
社内だけでなく、社外の利害関係者に対しても誤解を招かないような適用範囲の設定および記述が求められます。
また、文書化した情報として管理するという点については、他のISO規格と同様に常に閲覧可能な状態にしておくことを意味します。一部の管理者だけが閲覧できる状態ではダメだということです。

「箇条4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定」において労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲を規定した後は、次の「箇条4.4 労働安全衛生マネジメントシステム」においてPDCAサイクルを確立し運用する流れとなります。次回は『5.1リーダーシップ及びコミットメント』について解説いたします。