ISO45001「箇条4.1 組織及びその状況の理解」について

2018年9月20日

労働安全衛生に関する新規格であるISO45001ですが、ハイレベルストラクチャーの採用により他ISO規格と同一の章立てとなっています。従って、これまでOHSAS18001に準拠してきた企業にとっては見慣れない箇条を目にすることもあるでしょう。今回ご説明する「箇条4.1 組織及びその状況の理解」を含む箇条4の4項目もOHSAS 18001には記載がなく、ISO45001で追加された内容となります。

労働安全衛生に限らず、すべてのマネジメントシステムの出発点となる箇条4について、今回は「4.1組織及びその状況の理解」をピックアップしてご説明しましょう。最初に「4.1組織及びその状況の理解」の条文を見ておきましょう。

※『』内は条文の引用

『4.1 組織及びその状況の理解
・組織は,組織の目的に関連し,かつその労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果を達成する能力に影響を与える外部及び内部の課題を決定しなけれぱならない』非常にシンプルではありますが、つまりは労働安全衛生マネジメントシステムの運用に影響を及ぼすような組織の外部及び内部の課題を把握しなければならないということです。もちろん、良い影響だけでなく悪い影響も含まれます。マーケティングにおけるSWOT分析に近い考え方です。
そもそも労働安全衛生マネジメントシステムは労働安全衛生関するリスク及び機会を管理するための枠組みを提供することであり、あわせて従業員の労災を防止し安全で健康的な職場を提供することが目的です。従って、従業員を「顧客」に見立てたマーケティング戦
略と考えればよいですね。
では、どのような項目が外部及び内部の課題の例として挙げられるでしょうか。一例ですが、それぞれの例を以下に示します。

◇外部課題
1)技術革新経済及び自然環境並びに市場競争
2)新たな競合企業,新技術,新しい職業の登場
3)製品についての新知識及びその安全衛生への影響
4)法令の改正
5)外部の利害関係者との関係,外部の利害関係者の認識及び価値観
6)親会社からの設備改善費用の援助(良い影響)
7)上記のいずれかに関わる変化

◇内部課題
1)ガバナンス,組織構造役割及び説明責任
2)方針,目標及びそれらを達成するために定められる戦略
3)資源知識及び力量の観点から理解される能力
4)情報システム,情報の流れ及び意思決定のプロセス
5)新しい製品,素材,サービス,ツール,ソフトウェア,施設及び設備の導入
6)働く人との関係,並びに働く人の認識及び価値観
7)組織の文化
8)労働条件など

これらピックアップされた課題は、箇条4.3労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定のベースとなります。あわせて箇条6.1リスク及び機会への取組みにも関連してきます。このように「4.1組織及びその状況の理解」はISO45001導入を考える上で非常に大事な要素を含んでいるのです。

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