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HACCPの7原則とは何か?

HACCPの7原則とは➀ハザード分析②重要管理点の設定③管理基準の設定④モニタリング方法の設定⑤修正処置の設定⑥検証方法の設定⑦記録の維持管理であると前回のコラムでご説明しました。
今回はこれらの原則うち①のハザード分析について、経営層はどのように臨めばよいのか、現場ではどのような対応が求められるのかについて詳しくご説明いたします。
ハザード分析を適切に行うためには、ハザード分析に対して段階的に取り組むことが必要になってきます。その方法は業種によりますが、大きく以下の3つの段階に分けることができます。

第1段階:ハザードのリストアップ
第2段階:ハザードリストの作成
第3段階:ハザードのリスクアセスメント

ではそれぞれの段階における具体的な作業内容をご説明します。

◇第1段階:ハザードのリストアップ
原料及び製造工程の2つの側面にフォーカスし、それぞれのプロセスにおいて健康被害などを及ぼす事故の発生原因やなどをリストアップします。
「鳥のつくね」のケースで考えてみましょう。原材料となる鶏肉や野菜の有害微生物及び抗生物質などによる汚染状況、異物混入などが主なハザード要因としてリストアップできます。また製造工程における加熱不足や保管中の微生物繁殖、洗剤や殺虫剤などの混入も
ハザード要因となります。
これら一連のハザード要因の原因をピックアップし、原材料の仕入れからお客様への提供に至るまでの「どこのプロセスでどのように発生するのか」をフローチャートにするのが第1段階であるハザードのリストアップ作業となります。

◇第2段階:ハザードリストの作成
次に、第1段階でリスト化したハザードリストを「どのようにして防止するか」を考えなければなりません。例えば「加熱不足」というハザード要因に対しては「加熱時間と加熱温度の徹底管理」といった防止措置が考えられます。
このように、各リストアップされたハザード要因に対して、どのように防止するかを一覧にして明示するのがこの第2段階におけるハザードリストの作成となります。

◇第3段階:ハザードのリスクアセスメント
リストアップしたハザード要因について、そのハザードが発生した時の影響力の大きさや健康被害の重篤性について評価する必要があります。すなわち、どのリスク防止に力を注がなければならないのかという優先順位付けとなります。
この優先順位の付け方は企業によって異なりますが、多くは法的基準の有無、及び健康被害の重篤性の双方を指標としたマトリックス図で評価(アセスメント)を行います。また、発生頻度を指標に加えることもあります。
このように、ハザードのピックアップ→防止措置の検討→優先順位付けと段階的に行うことでハザードの「見える化」を行うのが➀ハザード分析の原則となります。その上で、完成したハザードリストをベースに、②重要管理点の設定へと進めていくことになるのです。
次回は②重要管理点の設定について詳しくご説明することにいたします。

ISO45001「箇条4.1 組織及びその状況の理解」について

労働安全衛生に関する新規格であるISO45001ですが、ハイレベルストラクチャーの採用により他ISO規格と同一の章立てとなっています。従って、これまでOHSAS18001に準拠してきた企業にとっては見慣れない箇条を目にすることもあるでしょう。今回ご説明する「箇条4.1 組織及びその状況の理解」を含む箇条4の4項目もOHSAS 18001には記載がなく、ISO45001で追加された内容となります。

労働安全衛生に限らず、すべてのマネジメントシステムの出発点となる箇条4について、今回は「4.1組織及びその状況の理解」をピックアップしてご説明しましょう。最初に「4.1組織及びその状況の理解」の条文を見ておきましょう。

※『』内は条文の引用

『4.1 組織及びその状況の理解
・組織は,組織の目的に関連し,かつその労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果を達成する能力に影響を与える外部及び内部の課題を決定しなけれぱならない』非常にシンプルではありますが、つまりは労働安全衛生マネジメントシステムの運用に影響を及ぼすような組織の外部及び内部の課題を把握しなければならないということです。もちろん、良い影響だけでなく悪い影響も含まれます。マーケティングにおけるSWOT分析に近い考え方です。
そもそも労働安全衛生マネジメントシステムは労働安全衛生関するリスク及び機会を管理するための枠組みを提供することであり、あわせて従業員の労災を防止し安全で健康的な職場を提供することが目的です。従って、従業員を「顧客」に見立てたマーケティング戦
略と考えればよいですね。
では、どのような項目が外部及び内部の課題の例として挙げられるでしょうか。一例ですが、それぞれの例を以下に示します。

◇外部課題
1)技術革新経済及び自然環境並びに市場競争
2)新たな競合企業,新技術,新しい職業の登場
3)製品についての新知識及びその安全衛生への影響
4)法令の改正
5)外部の利害関係者との関係,外部の利害関係者の認識及び価値観
6)親会社からの設備改善費用の援助(良い影響)
7)上記のいずれかに関わる変化

◇内部課題
1)ガバナンス,組織構造役割及び説明責任
2)方針,目標及びそれらを達成するために定められる戦略
3)資源知識及び力量の観点から理解される能力
4)情報システム,情報の流れ及び意思決定のプロセス
5)新しい製品,素材,サービス,ツール,ソフトウェア,施設及び設備の導入
6)働く人との関係,並びに働く人の認識及び価値観
7)組織の文化
8)労働条件など

これらピックアップされた課題は、箇条4.3労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定のベースとなります。あわせて箇条6.1リスク及び機会への取組みにも関連してきます。このように「4.1組織及びその状況の理解」はISO45001導入を考える上で非常に大事な要素を含んでいるのです。

Category: ISO