9.1監視、測定、分析及び評価 PDCAサイクルを円滑に進めるための確認とは?

2018年5月15日

環境マネジメントシステムにおけるPDCAをより強く意識して改訂された2015年版ISO14001。「9.1監視、測定、分析及び評価」においては、PDCAのC(Check)にフォーカスした内容となっています。箇条9の「パフォーマンス評価」全体では監視、測定、分析、評価、順守評価、内部監査、トップマネジメントにおける体系的なレビューなどに関する要求事項を規定しており、そのうち「9.1監視、測定、分析及び評価」においては、順守すべき事項がしっかり遂行されているかを評価する方法などを定めることとなります。

ではまず細分箇条である「9.1.1一般」から見ていきましょう。「9.1.1一般」は旧2004年版における「4.5.1 監視及び測定」に該当する内容です。HLS(ハイレベルストラクチャー)の採用により各ISO共通の要求事項ともなっていますが、評価の対象を定め、どのように評価するのか、いつ評価するのかなどを組織内でしっかりと規定することを要求しています。具体的な条文は以下の通りです。

※以下『』内は条文引用

『9.1.1一般

組織は,環境パフォーマンスを監視し,測定し,分析し,評価しなければならない。

組織は,次の事項を決定しなければならない。

a) 監視及び測定が必要な対象

b) 該当する場合には,必ず,妥当な結果を確実にするための,監視,測定,分析及び評価の方法

c) 組織が環境パフォーマンスを評価するための基準及び適切な指標

d) 監視及び測定の実施時期

e) 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期

組織は,必要に応じて,校正された又は検証された監視機器及び測定機器が使用され,維持されていることを確実にしなければならない。

組織は,環境パフォーマンス及び環境マネジメントシステムの有効性を評価しなければならない。

組織は,コミュニケーションプロセスで特定したとおりに,かつ,順守義務による要求に従って,関連する環境パフォーマンス情報について,内部と外部の双方のコミュニケーションを行わなければならない。

組織は,監視,測定,分析及び評価の結果の証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければならない。』

このように、条文内ではa~eのそれぞれついて組織内で決定することを義務付けています。

ではこれらの内容を実際の運用場面に照らし合わせてご説明します。まずaにおいては、評価の対象を何にするかを定めなければなりません。この場合、過去にご紹介した「6.1リスク及び機会への取組み」で規定された取組みの有効性、「6.2環境目標及びそれを達成するための計画策定」で設定された目標やアクションプランの進捗、「7.2力量」で作成された教育訓練計画の進捗、「7.3認識」で構築された認識向上プログラムの実施状況などが評価対象に該当します。

これらの対象について、どのような方法で監視~評価を行うかを定めること(b)、その際の基準や指標を定めること(c)、いつ評価を行うのかを定めること(d)、そして結果を分析するもしくは評価する時期も定めること(e)を定めています。
こうやってみると、改訂版の環境マネジメントシステムにおけるPDCAサイクルを回していくことの重要性を強く意識していることが伺えます。これまでのPDCAプロセスにおいてはPとDにフォーカスが当たることが多く、Cについては後回しになりがちでした。しかし、今回の改訂でこのようにCについてもはっきりと「要求事項」となり、これまで以上に環境マネジメントシステムにおけるC(Check)の重要性が増したと言えるでしょう。

Category: ISO