8.1運用の計画及び管理  PDCAの運用に関する要求事項を規定する

2018年3月14日

ISO14001:2015版では、「8.1運用の計画及び管理」が含まれる箇条8は、環境マネジメントシステムにおけるPDCAの運用を構成する要素であり、そのプロセスの運用及び実施、あわせて緊急事態への対応といったさまざまな要求事項を規定している部分になります。

旧2004年版では「4.4.6運用管理」に該当する内容が多く、HLS(ハイレベルストラクチャー)の採用により各ISO規格間で共通の条文や用語を使用しています。

特に「8.1運用の計画及び管理」においては、環境マネジメントシステムの運用管理について細かく規定されており、細分箇条6.1や6.2で特定した、リスク及び機会・著しい環境側面といった取組みを実施するために必要となるプロセスを管理することを求めています。

それでは詳しい条文を見ていきましょう。

 

 

「8.1運用の計画及び管理

組織は、次に示す事項の実施によって、環境マネジメントシステム要求事項を満たすため、並びに6.1及び6.2で決定した取組みを実施するために必要なプロセスを確立し、実施し、管理し、かつ、維持しなければならない。

・プロセスに関する運用基準の設定

・その基準に従ったプロセスの管理の実施

※注記 管理は、工学的な管理及び手順を含み得る。管理は、優先順位(例えば、除去、代替、管理的な対策)に従って実施されることもあり、また、個別に又は組み合わせて用いられることもある。

組織は、計画した変更を管理し、意図しない変更によって生じた結果をレビューし、必要に応じて、有害な影響を緩和する処置をとらなければならない。

組織は、外部委託したプロセスが管理されている又は影響を及ぼされていることを確実にしなければならない。これらのプロセスに適用される、管理する又は影響を及ぼす方式及び程度は、環境マネジメントシステムの中で定めなければならない。

ライフサイクルの視点に従って、組織は、次の事項を行わなければならない。

a)必要に応じて、ライフサイクルの各段階を考慮して、製品又はサービスの設計及び開発プロセスにおいて、環境上の要求事項が取り組まれていることを確実にするために、管理を確立する。

  1. b) 必要に応じて、製品及びサービスの調達に関する環境上の要求事項を決定する。
  2. c) 請負者を含む外部提供者に対して、関連する環境上の要求事項を伝達する。

d)製品及びサービスの輸送又は配送(提供)、使用、使用後の処理及び最終処分に伴う潜在的な著しい環境影響に関する情報を提供する必要性について考慮する。

組織は、プロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつために必要な程度の、文書化した情報を維持しなければならない。」

 

 

このように、ISO14001:2004年版の「4.4.6運用管理」をより具体的にそして細かいレベルまで落とし込んだ内容となっています。一見すると要求事項が大幅に増えたようにも見えますね。また、プロセスという単語が何を意味しているのか、その把握の仕方によっても受け取る内容が異なってくる可能性があります。

わかりやすく整理すると、このプロセスというのは環境マネジメントシステムを運用する上で必要な活動や作業と言い換えても良いです。そして細分箇条6.1や6.2で定めた「環境目標」「順守義務」「環境側面の特定」「リスク及び機会への対応」の各項目に対し、誰が、いつ、何を、どこでやるのかという5W1Hを明確にしておきましょうということです。

また、ここで規定すべき内容については、「ライフサイクルの視点」という用語が用いられています。つまり、材料の調達から製品の運搬、実際の使用場面、使用後の処理廃棄に至るまで、すべての段階で運用を明確にしておく必要があるということです。

ただし、小項目a)冒頭に「必要に応じて」という文言があります。つまり、「組織が必要と判断した場合」という条件付きです。環境マネジメントシステムの運用において、自社の活動が各種要求事項を満たしているかを確認し、仮に足りないと判断した事項のみ活動に追加していくという柔軟性が持てるということです。

最後に「8.1運用の計画及び管理」の規定内容を今一度わかりやすくまとめると、

・環境マネジメントシステムの「変更」を管理し、意図しない「変更」によって生じた結果をレビューすること

・外部委託したプロセスが管理されていることを確実にすること

・ライフサイクルの視点に従って要求事項を確実に反映させたり環境上の要求事項を伝達したりすること

となります。各組織においては不十分な箇所をピックアップし、旧2004年版からの改善へと進める必要があります。

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