4.1 組織及びその状況の理解 外部・内部の課題を把握しレビューする

2018年1月21日

改訂されたISO90012015年版について、前回大まかな改定ポイントをご説明しました。今回からはそれぞれの細分箇条における改定ポイントや注意点などを具体的に見ていこうと思います。まずは「4.1 組織及びその状況の理解」です。箇条4は細分箇条4.14.4に分かれており、適切な品質マネジメントシステムとそのプロセスを決定するための一連の活動の要素として規定されています。

2008年版においては、要求事項の最初として「4.1 品質マネジメントシステムの確立と維持に関する要求事項」が規定されていましたが、この項目が2015年版では「4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス」となっています。つまり、2015年版では品質マネジメントシステム実践の前段として、今回ご説明する組織の状況の理解や把握などを行わなければならないとされているのです。逆に言えば、組織の状況の理解や把握などを行わずいきなり品質マネジメントシステムの構築に入ることによるISOの形骸化を防止していることにもなります。

では、その細分箇条4.1 組織及びその状況の理解を詳しく見ていきましょう。条文は以下の通りです。

 

4.1 組轍及びその状況の理解

組織は、組織の目的及び戦略的な方向性に関連し、かつ、その品質マネジメントシステムの意図した成果を達成する組織の能力に影響を与える、外部及び内部の課題を明確にしなければならない。

組織は、これら外部及び内部の課題に関する情報を監視し、レビューしなければならない。

※注記1 課題には,検討の対象となる,好ましい要因又は状態,及び、好ましくない要因又は状態が含まれ得る。

※注記2 外部の状況の理解は、外部の状況の理解は,国際,国内,地方又は地域を問わず,法令,技術,競争,市場,文化,社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になる。

※注記3 内部の状況の理解は,組織の価値観,文化,知識及びパフォーマンスに関する課題を考えることによって容易になる。

 

4.1組織及びその状況の理解」で規定されているのは、主に品質マネジメントシステムの意図した結果を達成するために、その前提条件となる外部及び内部の課題を決定するということです

ここでいう、外部及び内部の課題とはどういうものでしょうか?一般的な解釈としては以下のようになります。

◇外部課題とは?

事業主体者を取り巻く外的な課題のこと。例えば顧客要求(品質・価格・納期など)の変化、競合する他社の動向、関連する各種法規制の変化、天災などの不慮の事象、社会情勢の変化、市場や経済的な各環境の変化など

◇内部課題とは?

人、資本、設備、材料、組織の理念、文化、知識、業績、協力会社の経営状況(及び協力会社に対する事業主体者からの要望・課題)、現場の作業環境、情報などの今後の見通し、変化を踏まえた懸念材料や課題など

 

このように、これら外部・内部環境の課題を抽出することがまずは品質マネジメントシステム構築のスタートラインと位置付けています。

ただし、外部・内部環境は時間の流れとともに徐々に変化していきます。企業においては、外部・内部環境の課題を抽出した後も常にレビューの機会を設け、品質マネジメントシステムに必要な改善のための変更を行うことを意識しなければなりません。

 

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