7.3認識 自社スタッフと外部要因に要求事項を認識させる

2017年12月18日

2015年版ISO14001における「7.3認識」は、旧ISO2004年版では「4.4.2力量・教育訓練及び自覚」に該当していた内容です。条文に大きな変更はりませんが、言い回しが若干変更されており、それに伴って条文解釈の範囲や意識づけを再認識する必要があります。

そのもっとも最たる部分が、7.3認識の条文の中の最初の1文となります。

では、具体的に「7.3認識」の条文を見てみましょう。

 

組織は組織に管理下で働く人々が次の事項に関して認識を持つことを確実にしなければならない。

a)環境方針

b)自らの業務に関係する著しい環境側面及びそれに伴う顕在するまたは潜在的な環境影響

c)環境パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む、環境マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献

d)組織の順守義務を満たさないことを含む、環境マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味

 

2004年版では、最初の文はこのようになっていました。

 

組織は組織に管理下で働く人々が次の事項に関して自覚させるための手順を確立し、実施し、維持すること。

 

つまり、2004年版では「手順の確立と実施」に重きが置かれていたのに対し、2015年版では「認識を持つ」ことを重視しています。単に手順を確立するだけでなく、現場のスタッフがしっかりと認識してはじめてEMS活動が成り立つとしているのです。形式主義ではなく実際のパフォーマンスが重要であるということがこの変更からもうかがえますね。

 

また、認識させる対象も、自社の社員だけでなく自社に常駐している外部スタッフ、そして廃棄物処理などを依頼している外部事業者なども範囲に含めている点も見逃せません。自社の業務のために業務を行うすべてのステークホルダーが環境方針を認識し、事業活動の一環として積極的に取り組むべきであると定義しているのです。

 

一方、規格の附属書A.7.3には以下のような記述があります。

 

環境方針の認識を、コミットメントを暗記する必要がある又は組織の管理下で働く人々が文書化した環境方針のコピーをもつ、という意味に捉えないほうがよい。そうではなく、環境方針の存在及びその目的を認識することが望ましく、また、自分の業務が、順守義務を満たす組織の能力にどのように影響を与え得るかということを含め、コミットメントの達成における自らの役割を認識することが望まし

 

このことからも、単に環境方針に関する文書を関係者に配布するだけではダメだということがわかりますね。企業としてしっかりとした注意喚起の仕組みや教育訓練の場を設けEMS活動の順守を現場レベルで確実に浸透させることが求められているのです。

あわせて、万が一規定に違反し事故による環境破壊が行われた場合、会社の社会的信用の失墜を招き、ひいては会社の存続が危ぶまれることまで含めて全員に認識させるべきであると言えるでしょう。

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