7.2力量 EMS活動における力量マネジメントとPDCA

2017年11月15日

2015年版ISO14001では、効果的なEMS活動の推進に必要な要素として、力量マネジメントをPDCAサイクルの中に組み込むことを要求しています。

力量に関する項目は、旧2004年版でも4.4.2「力量、教育訓練及び自覚」で規定されていました。しかし、2015年版においてはこの中の「教育訓練及び自覚」の部分が独立して7.3「認識」として位置づけられており、力量と教育訓練の双方がさらに重要度を増していることを示しています。

 

では、7.2「力量」の条文を見てみましょう。

 

組織は次の事項を行わなければならない。

a)組織の環境パフォーマンスに影響を与える業務、および順守義務を満たす組織の能力に影響を与える業務を組織の管理下で行う人(または人々)に必要な力量を決定する。

b)適切な教育、訓練または経験に基づいて、それらの人々が力量を備えていることを確実にする。

c)組織の環境側面及び環境マネジメントシステムに関する教育訓練のニーズを決定する。

d)該当する場合には、必ず必要な力量を身につけるための措置をとり、とった処置の有効性を評価する

組織は、力量の証拠として、適切な文書化した情報を保持しなければならない。

 

2004年版と比較しても、大まかな方向性に変更はありません。しかし、力量を設定する要員について、これまでは「著しい環境影響の原因となる可能性を持つ作業」であったものが、「組織の環境パフォーマンスに影響を与える業務、および順守義務を満たす組織の能力に影響を与える業務」と置き換えられています。

つまり、力量を要求される組織内の人員について、再度の見直しが必要となる変更であることは間違いありません。

なお、具体的な人員については、付属書において以下のように例示されています。

 

①著しい環境影響の原因となる可能性をもつ作業を行う人

②次を行う人を含む、環境マネジメントシステムに関する責任を割り当てられた人

  • 環境影響又は順守義務を決定し、評価する
  • 環境目標の達成に寄与する
  • 緊急事態に対応する
  • 内部監査を実施する
  • 順守評価を実施する

 

このように、実際に現場で作業を行う人員だけでなく、評価者や意思決定者、監査者までをその範囲内としています。2004年版と比べてかなり範囲が広がっていることがこのことからもわかります。

 

では、EMS活動に取り組む企業における対応としてはどのようなものが挙げられるでしょうか?

まずは自社の要員に関する力量の見直しが必要でしょう。それぞれの立場に見合う力量を有しているかを確認し、不足している部分については教育研修によりそれを補足することが必要です。ただし、教育研修がすべてではありません。配置転換や人員採用なども「必要な措置」と位置付けられているため、場合によっては人事異動なども視野に入れるべきでしょう。

また、何かしら新たな教育計画の策定を求められている訳では無いため、既存の教育制度で補完できる場合はそれでもかまいません。

あわせて、力量の証拠として文書化が要求されています。要員の力量を定性的に測定し、証拠として提示できるような整備記録が必要ですね。

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