6.2環境目標及びそれを達成するための計画策定

2017年10月19日

2015年版ISO14001にて新たに設けられた6.2環境目標及びそれを達成するための計画策定は、環境方針及び前段の6.1.1「リスク及び機会への取り組み」~6.1.3「順守義務」を考慮し、環境目標の設定と達成計画の策定について規定された内容になります。

旧ISO2004年版においては、4.3.3「目的・目標及び実施計画」に該当する内容となっており、内容そのものに大きな変更点はありません。しかし、細部で若干の変更や文言の追加がなされているためその部分を重点的に見ていきます。

 

2004年版では4.3.3「目的・目標及び実施計画」として1つの細分箇条に収まっていましたが、2015年版の6.2「環境目標及びそれを達成するための計画策定」は、6.2.1「環境目標」と6.2.2「環境目標を達成するための取組みの計画策定」という細分箇条に分かれます。

 

2004年版の条文は以下の通りです。

 

4.3.3 目的,目標及び実施計画 組織は,組織内の関連する部門及び階層で,文書化された環境目的及び目標を設定し,実施し,維持すること。

(中略)

その目的及び目標を設定しレビューするにあたって,組織は,法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項並びに著しい環境側面を考慮に入れること。

(中略)

  1. a) 組織の関連する部門及び階層における,目的及び目標を達成するための責任の明示
  2. b) 目的及び目標達成のための手段及び日程

 

これに対し、2015年版では

 

組織は,組織の著しい環境側面及び関連する順守義務を考慮に入れ,かつ,リスク及び機会を考慮し,関連する機能及び階層において,環境目標を確立しなければならない。

環境目標は,次の事項を満たさなければならない。

  1. a) 環境方針と整合している。
  2. b) (実行可能な場合)測定可能である。
  3. c) 監視する。
  4. d) 伝達する。
  5. e) 必要に応じて,更新する。

 

組織は,環境目標をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項を決定しなければならない。

 

  1. a) 実施事項
  2. b) 必要な資源
  3. c) 責任者
  4. d) 達成期限
  5. e) 結果の評価方法。これには,測定可能な環境目標の達成に向けた進捗を監視するための指標を含む

 

と、より具体的に項目を挙げて計画策定の内容を明示しています。

また、「リスク及び機会を考慮する」ことが追記されていることがわかります。「組織の著しい環境側面及び関連する順守義務」は「考慮に入れる」という表現であるのに対し、「リスク及び機会」は「考慮する」という表現になっているのは理由があります。

というのも、「考慮に入れる」というのは「必ず考慮しなければならない」ということであり、「考慮する」というのは「考慮した結果含めなくとも構わない」ということになるからです。つまり、組織の著しい環境側面及び関連する順守義務」は従来通り最重要視するかわりに、2015年版で新たに加えられた「リスク及び機会」についてはそこまで重要な意味を持たせていないということですね。

また、環境目標を達成するための取組みについては、企業の事業プロセスにどのように統合するかについてを勘案する必要があることも付け加えられています。EMS活動だけが切り離されて運用されるのではなく、あくまでも事業活動におけるひとつの取り組みとしてEMS活動が運用されることを強調しているということになります。

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