6.1.3順守義務 環境側面に対する順守義務を制定し運用する

2017年9月26日

順守義務という用語はISO14001の2015年版で初めて登場した言葉です。ただし、その内容は2004年版における「4.3.2 法的及びその他の要求事項」とほぼ同一であり、新たに何を手掛けるという必要はありません。

条文を見てみると、2004年版では

 

4.3.2 法的及びその他の要求事項

組織は、次の事項にかかわる手順を確立し、実施し、維持すること。

a)組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し、参照する。

b)これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。

組織は、その環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持するうえで、これらの適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れること

 

となっています。一方の2015年版では

 

6.1.3 順守義務

組織は、次の事項を行わなければならない。

a)組織の環境側面に関する順守義務を決定し、参照する。

b)これらの順守義務を組織にどのように適用するかを決定する。

c)環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、継続的に改善するときに、これらの順守義務を考慮に入れる。

組織は、順守義務に関する文書化した情報を維持しなければならない。

 

と、若干表現に違いはあるもののほぼ同じであることがお分かりいただけるでしょう。

細かな言葉の違いや「順守義務」という用語の登場などにより、より強くコンプライアンス意識を持たなければならないという心理的な効果を見込んでいるものと思われます。

その中で大きな変更点と言えば、順守義務が「組織の環境側面」に対する適用であったものが、改訂版では「組織」へ変更された点です。適用される環境側面には組織により違いがあります。つまり、環境側面と環境影響を規定する上で、具体的に組織を対象として考えなければならないということです。

一例として有機溶剤の使用場面を想定してみましょう。会社として使用することを想定していても、どの事業所のどこで有機溶剤が使用されているのかを特定できません。改訂版では、この順守義務がどの部門・工程に適用され、誰が責任もって順守するのかを明確に定める必要があるのです。

もうひとつ、「文書化した情報を維持」する必要があります。これは運用上の課題となりますが、口頭で示すだけでなく、社内でしっかりと文書化し随時閲覧できるように保管しておく必要があります。これは、2015年版ISO14001が環境関連の法規制に関するコンプライアンスマネジメントを確保する仕組みであり続けることを宣言しているからに他なりません。

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