Monthly Archives: 7月 2017

ISO14001:2015の「環境方針」

こんにちは。株式会社ティーディーエス、新人のJです。
昨日の勉強会は、ISO14001:2015の「環境方針」についてでした。
早速報告させていただきます。

ISO14001における「環境方針」とは、自社の環境マネジメントシステムにおける目的や方向性および、環境マネジメントに関するトップマネジメントの考え方や基本原則を示す公式な文書のことを指します。

ISO14001:2015の「5.2環境方針」は、2004年版の14001の「4.2環境方針」に該当します。
2004年版からの本質的な要求事項の変更はありませんが、HLS(ハイレベルストラクチャー)に基づくPDCAフレームワークの採用により、
方針に含むべき内容や方針を実現する手段が、ほかのマネジメントシステムと統一されました。

規格要求事項

規格要求事項では、トップマネジメントが環境方針を確立することを要求しており、その内容は、以下の通りであることを要求しています。

◾︎組織の目的、並びに組織の活動、製品およびサービスの性質、規格および環境影響を含む組織の状況に対して適切であること(5.2a)

◾︎環境目標の設定のための枠組みを示すこと(5.2b)

◾︎汚染の防止、及び組織の状況に関連するその他の固有なコミットメントを含む、環境保護に対するコミットメントを含むこと。(5.2c)

◾︎組織の順守義務を満たすことへのコミットメントを含むこと。(5.2d)

◾︎環境パフォーマンスを向上させるための環境マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含むこと。(5.2e)

したがって、5.2a~5.2eは、「環境方針」に含む内容に関する要求事項となっています。
なお、環境方針について、ISO14001:2015の「用語の定義3.1.3」では、組織のトップマネジメントによって正式に表明された、環境パフォーマンスに関する、組織の意図及び方向付けと定義されています。
ISO14001:2015の箇条5.2「環境方針」は、環境方針に「汚染の予防に関するコミットメント」だけではなく、それ以外の「環境保護に対するコミットメント」も含めることを要求しています。

環境方針の管理

あわせて、規格要求事項では、環境方針は、以下を満たすことを要求しています。

◾︎文書化した情報として維持すること
◾︎組織内に伝達すること
◾︎利害関係者が入手可能であること

なお、組織内に伝達されることについては、「7.3 認識」や「7.4 コミュニケーション」において、環境方針はスタッフに認識させる対象となっていますので、この認識向上プログラムやコミュニケーションのプロセスによって、伝達され、認識され、方針の実現のための活動が実施されます。

これまでのことを図式化するとすれば、

【トップマネジメント】 ー策定→ 【環境方針】 ー伝達→ 【スタッフ】
(文書化した情報として
利用できなければならない)
↑↑
利用可能

【利害関係者】

このようになるでしょうか。環境方針は、トップマネジメントが「策定」し、スタッフには「伝達」され、利害関係者には「利用可能」でなければなりません。
今回も勉強になりました。

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5.1 より明確になったトップマネジメントの役割

こんにちは。株式会社ティーディーエス、新人のJです。
先日は、ISO14001:2015における、「リーダーシップ」についての勉強会がありましたので、その報告をさせていただきます。

2015年に改正されたISO14001内における「箇条5 リーダーシップ」では、環境マネジメント(EMS)遂行時のトップマネジメントの役割をより明確に定義づけています

2004年版では「4.2 環境方針」及び「4.4.1 資源、役割、責任及び権限」においてトップマネジメントの役割が規定されていましたが、今回の改正ではこの項目を独立させ、「箇条5」とした点からも、その重要性をうかがい知ることができます。

改定された内容を具体的に見ていくと、経営層の環境マネジメントへの関与をより一層強く求める規定がなされています。
まず、箇条5冒頭において「トップマネジメントは、次に示す事項によって、環境マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない」という一文が掲げられ、a)からi)までトップマネジメントが留意すべき細かな条文が設けられています。

中でも重要となるのが、
a)環境マネジメントシステムの有効性に説明責任を負う
b)環境方針及び環境目的を確立し、それらが組織の戦略的な方向性及び組織の状況と両立することを確実にする
g) 環境マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を指揮し、支援する
h)継続的改善を促進する
という4つの項目。

環境マネジメントシステムを経営上の課題としてどのように進めるのか、社内のリソース如何にして活用するのか、そして継続的に取り組むことをどうやって担保するのかについて、トップが自ら明確に説明する義務を負うこととなります。特に自社の事業プロセスと環境マネジメントシステムのプロセスに乖離が見られると、システムが形骸化し経営層が意図した結果を達成することが不可能となります。

さらに、トップマネジメントだけが責任を負うのではなく、組織全体に環境マネジメントシステムの円滑な遂行を促し、各階層における従事者のリーダーシップが発揮されるようにサポートする必要性にも言及しています。
このように、トップマネジメントが自ら率先して取り組むべき事項、そして各階層の責任者へ権限を委譲し進めていく事項などを定め、リーダーシップを発揮しながら環境マネジメントシステムのPDCAを回していくことを促すのが今回の改正の要点となっているのです。

では、それぞれの企業において、2015年版ISO14001に準拠するためにどのような取り組みを行えばよいのかを簡単に解説いたします。
取り組みの中心となるのは、トップマネジメントが環境マネジメントシステムにおいてどの場面で具体的に行動するべきものかを確認することです。

例えば、、
a)環境マネジメントシステムの有効性に説明責任を負う
の条項を満たすためには、定期的にトップマネジメント自ら社員に向けて訓示を行う、あわせてホームページなどでトップマネジメントによる意思表明を行うなどが挙げられます。
また、マニュアルにおいては条文をそのまま写すのではなく、事業プロセスと環境マネジメントシステムプロセスの整合性を組織全体で定期的に見直すなどの文言を加えることも必要となってくるでしょう。
今回も勉強になりました。

Category: ISO