4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定

2017年6月28日

4.3「環境マネジメントシステムの適用範囲の決定」は、これから構築し、導入する環境マネジメントシステムの適用範囲を、必要なインプットに基づき決定することを要求しています

「組織は、環境マネジメントシステムの適用範囲を定めるために、その境界及び適用可能性を決定しなければならない。

この適用範囲を決定するとき、組織は、次の事項を考慮しなければならない。
a)4.1に規定する外部及び内部の課題
b)4.2に規定する順守義務
c)組織の単位、機能及び物理的境界
d)組織の活動、製品及びサービス
e)管理し影響を及ぼす、組織の権限及び能力

適用範囲が定まれば、その適用範囲の中にある組織の全ての活動、製品及びサービスは、環境マネジメントシステムに含まれている必要がある。

環境マネジメントシステムの適用範囲は、文書化した情報として維持しなければならず、かつ、利害関係者がこれを入手できるようにしなければならない。」

と条項にありますが、これは、ISO14001:2004であれば、「4.1一般要求事項」に該当していたことです。

「適用範囲」つまり「ISO14001」を、どのサイトまで適用させるのか、ということが問われており、どういった企業活動、製品・サービスまでを対象にするかは、自社で決めることになっています。

※ここで「サイト」とは、元来の意味での「敷地」「用地」のことをさすそうです。

これまでは、自社の都合のみを考えて、適用範囲を決めていた事業所も、2015年版では、上記のa)~e)の5項目を考慮したうえで決定することが求められているのです。

これまで適用範囲を決めている事業所がそれを変更する必要はないのですが、「課題」「順守義務があるもの」「サイト」「活動・製品」についてはそれぞれ、適用範囲を決定していると明確にしておく必要があると思います。

適用範囲を決めたら、その範囲内にある特定の活動や製品を、自社の勝手な都合で除外することはできません。

「利害関係者が入手できる」ようにしておくのは、2004年版では環境方針のみでした。しかし、2015年版ではこれに「適用範囲」が追加されたということになります。
会社案内などに環境方針を掲載されている事業所様は、適用範囲も併記しておくとよいと思います。

「チェリーピッキング」という言葉があるそうです。
たくさんあるサクランボの中から、おいしそうなサクランボばかりをつまみ食いすることにちなみ、都合のよいことだけを取り上げることを指すのだそうです。

わかりやすい事例として、環境負荷の高い工場や業務を除外し、総務や経理業務、商品企画や商品提案、設計・開発行為がない営業業務など環境負荷が低い事務所や業務のみを対象にして、環境マネジメントシステムを構築し、第三者認証や自己宣言をして、あたかも「組織全体で環境活動を推進している」ような印象を外部に与えることが挙げられると思います。

こうした「都合の良いことだけを取り上げる」のではなく、規格の趣旨をよく理解したうえで、適用範囲の検討を行うことが求められるのです。

今回も勉強になりました。

Category: ISO