Monthly Archives: 4月 2017

ISO14001の改定のポイントは、、、第二編

①附属書SLの適用

附属書SLとは?
マネジメントシステムの枠組みを定義するもので、「規格作成者向けのルールブック」のことです。
附属書は英語ではAnnexで「別館」などの意味でも使われる言葉のようです。

この附属書SLという文書は、制定されるマネジメントシステム規格が別々の専門委員会(TC又はPC)で開発された結果、用語の定義や章構成が異なり、「複数のマネジメントシステムを適用しようとする組織で混乱を起こしている。」という声に応え、ISO9001やISO14001の次期改訂の準備の意味も兼ねて、2006年から様々なマネジメントシステム規格の共通部分の指針作りを検討し、2013年4月に発行された文書です。各マネジメントシステム規格の開発に当たるそれぞれの専門委員会は、共通部分には原則としてAnnex SLを尊重して取り組むことを要求されていますので、一般の方にも参考になる文書です。

引用先:JACB 日本マネジメントシステム認証機関協議会

http://www.jacb.jp/revinfo1.html

今まで発行されてきたマネジメントシステム規格は、PDCAサイクルに基づいており、主として、Plan、Check、Actの部分に共通要素が含まれていました。しかし、これまでは、文書構成が統一されていなかったため、同じ内容の要求事項が規格によって異なる要素として規定されていたり、異なる記述のされ方をしていました。その結果、複数のマネジメントシステムを構築し、運用している組織か仕組みを統合することが容易にできないという課題を持っていました。そのような状況の中、ISOの技術管理評議会(TMB)では、各規格間の整合性向上を図るため、MSS(マネジメントシステム規格の標準化)活動を行い、共通テキストを開発しました。そして、2012年2月15日~16日に開催されたISO/TMB会議で、今後ISOで発行または改定されるすべてのマネジメントシステム規格は、原則としてこのガイドに従わなければならないとする決議を行いました。

その結果、2012年に発行された、事業継続マネジメントシステムのISO22301:2012(2012年5月発行)、道路交通安全マネジメントシステムのISO39001:2012(2012年10月発行)、2013年に改定された情報セキュリティマネジメントシステムのISO/IEC27001:2013(2013年10月改定)は、この共通テキストを用いて発行されています。

この共通テキストの特徴の1つは、今までのマネジメントシステム規格が持っていた予防処置に関する固有の要求事項が削除されていることです。これは、PDCAサイクルを採用したマネジメントシステム活動そのものに、予防処置的な事項が含まれるという理由によるものです。ただし、共通テキストを用いたマネジメントシステム規格では、箇条6.1のリスク及び機会に対処する活動を通じて、マネジメントシステム全体の予防処置活動を実施することが期待されています。

②戦略的な環境マネジメントの重要性の強調

組織への戦略的計画プロセスにおける環境マネジメントの重要性が増していることから、組織及び環境の双方への便益のために、その機会を特定し活用するための、組織の状況の理解(箇条4)に関する新しい要求事項が取り入れられています。

特に、利害関係者のニーズ及び期待(規制上の要求事項を含む)や組織に影響を与える、または組織からの影響を受ける、地方・地域・グローバル規模の環境状況には有害なリスクの緩和または有益な機会の探求のための活動があるため、該当する場合には、それを環境マネジメントシステムの運用計画に統合することが必要となります。

③リーダーシップの強化

2015年版のISO14001では、システムの成功を確実にするために、リーダーシップの役割を持つ者に対して、組織内の環境管理を促進することについての特定の責任を割り当てる規格要求事項が追加されました(箇条5 リーダシップ)。

④環境パフォーマンス評価の重視

旧来の規格では、継続的改善の対象はマネジメントシステムの改善でしたが、2015年版のISO14001では、それに加えて、組織の環境パフォーマンスの改善も継続的改善の対象になっています。
したがって、組織の環境方針のコミットメントに基づき、該当する場合には、組織が設定したレベルにまで、組織の環境パフォーマンス(排出、排水及び廃棄などの低減)を向上させることが必要となります。

⑤ライフサイクル思考の追加

旧来の規格では、製造及びサービスに関連する環境側面の管理が規格要求事項(環境影響評価)の対象でしたが、2015年版のISO14001では、それに加えて、組織が管理する及び影響を及ぼす範囲が、製品の使用及び使用後の処理または廃棄に関連する環境影響にまで拡張されています。

②③などで触れられている箇条4や箇条5を含むHLS(ハイレベルストラクチャー)に関しては、次のブログで説明したいと思います。

Category: ISO

ISO14001の改定のポイントは、、、第一編

こんにちは、スタッフのJです。
ISO14001の2015年改定のポイントは、
以前一度弊社社長の方からレクチャーがあったのですが、
もう一度自分で勉強し直しました。

今回はそのことをご紹介します。
「ISO14001 2015のすべてがよ~くわかる本」打川和男著
を参考にさせていただきました。

まず、改定の大きなポイントとして、

MSSの共通構造であるHLS(ハイレベルストラクチャー)の採用により、
他のマネジメントシステムとの整合が図られ、統合マネジメントシステムの構築が容易になりました。」

とあります。

聞きなれない英語が二つ出てきますね。
MSSとHLS。
この二つについてちょっと調べてみました。

MSSとは
Management System Standardの略のこと。マネジメントシステム規格の標準化のことを指します。
各々個別に発行されているMS(マネジメントシステム)の共通要素を集約したマネジメントシステムの基本構造のことであるようです。

HLS(ハイレベルストラクチャー)とは
「2012年に改定された「ISO/IEC専門業務用指針」の附属書SLが定めているISOマネジメントシステム規格の共通構造のことを指しています。このハイレベルストラクチャー(HLS)に基づいて策定されたISOマネジメントシステム規格は、構造、要求事項、用語の定義の共通化が図られ、各規格間の整合性がとられており、今後、策定・改訂されるISOマネジメントシステム規格は、このハイレベルストラクチャー(HLS)に基づいて作成されることが決められています。」
引用先:BSIジャパンホームページより

http://www.bsigroup.com/ja-JP/our-services/training-courses/HLS/
また、
「HLSとは、すべてのマネジメントシステムに適用できる共通の構造、テキスト、用語の定義を定めるものです。」ともあります。
引用先:JQAホームページより
http://www.jqa.jp/service_list/management/iso_info/iso_network/vol23/news/
つまり、これまでバラバラだった規格の章構造が統一され、それに合わせ、用語の定義なども統一されますということのようです。

このハイレベルストラクチャー(HLS)が採用されることにより、複数規格を有する組織ではマニュアルの統一や使用する様式の統合が進めやすくなるメリットがあるということになります。
例えば、主要な3つの規格、ISO9001(品質)、ISO14001(環境)、ISO27001(情報セキュリティ)を持っている企業でも、ハイレベルストラクチャー(HLS)によって、3つの規程・マニュアルが1つになり、書類が減って管理がしやすくなるのです。
さて、本題に戻ります。

ISO14001の移行計画はどのように決定されたのでしょうか?

2015年2月27日付で、国際認定フォーラム(IAF)は、IAF参考文書ISO14001:2015への移行計画の指針(IAF ID 10 2015)を発行しました。
その指針には、「国際認定フォーラム(IAF)とISO適合性評価委員会(CASCO)は、ISO14001:2015発行日から3年間を移行期間とすることに同意した」と規定されています。
したがって、現行のISO14001:2004は、2018年9月に失効されることになり、ISO14001:2004の認証を受けている組織は、それまでの間にISO14001:2015に移行する必要があります。

その主要な改定のポイントはどのようなものがあるでしょうか?
以前に弊社社長からも改定ポイントの説明がありましたが、
おさらいをすると、
①附属書SLの適用
②戦略的な環境マネジメントの重要性の強調
③リーダーシップの強化
④環境パフォーマンス評価の重視
⑤ライフサイクル思考の追加

この5点のようです。次のブログ以降で詳しく書きます。

Category: ISO