Monthly Archives: 1月 2017

ISO9001:2015年改定について

「リスク」だけでなく「機会」を取り上げよう!

2015年改正に向け、FDIS(Final Draft International Standard:国際規格最終原案)が開示され、日本では日本規格協会から原文(英語)及び対訳版が発行されています。
◇DISから大きな変更はありませんが、リスクのマイナス面だけでなく、プラス面の可能性を探り、「リスク及び機会」の機会として取り組むべきことが、より明確になってきています。

 4.1 組織及びその状況の理解で外部及び内部の課題を明確にしなければならない、との要求はDISと同じですが、注記1に「課題には好ましい要因又は状態、及び好ましくない要因又は状態が含まれ得る」が追加され、マイナス面だけでなくプラス面も課題として挙げることを求めています。

 6.1 リスク及び機会への取組みでは、DISでのリスク及び機会に取り組む必要がある3つの項目、即ち
  ・品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成できるという確認を与える。
  ・望ましくない影響を増大する。
  ・改善を達成する。
 に加え、以下の1項目が追加されています。

  ・望ましい影響を増大する。

 プラス面に働く要素を取り上げ、全体として「リスク及び機会」への取組みを構成しています。

簡単に言い換えれば、「良いところ」伸ばしていこうという考え方です。
リスクのヘッジばかりを考える必要はなさそうですね!

Category: ISO

ISOの認証をとらなければどうなるか?

株式会社TDSスタッフのJです。

ISOの導入には、時間的、費用的なコストもかかります。そこで、ISOの認証をとらなければどうなるのかについて考えてみました。

勉強会でテキストとさせていただいている「入門の入門 ISOのしくみ」牧英憲・にゅう原恵二著を参考にしました。

▪︎認証取得は企業にとって絶対的義務ではない

ISOの認証は、是が非でもとらなければならないものでしょうか?

答えはもちろんNOですよね。

外国企業との取引で輸出が多かったり、親企業や得意先から取引条件として認証の取得を強要されたりしていなければ、ISOの認証をとる絶対的な義務はありません。

しかし、近年、社会的な信用を重視する企業や、取引の安定と発展を志向する企業などでは、ISOの認証取得に意欲をもつ担当者が増えていらっしゃるのではないでしょうか。

▪︎ISO標準の考え方は、中小企業の経営体質の強化となる

中小企業の場合、システム化された経営を行うには程遠い企業が多いのが実態です。ましてや、中小企業にとって、国際的に通用するような経営システムを独自に企業内に構築することは並大抵のことではないでしょう。

しかしながら、経営体質を強化することは、21世紀に生き残る必須条件といえます。そのためには、ISO標準の考え方を自社の事情に適合させて活用していき、次第に社内に力をつけ、社会に通用する経営システムに再構築していくことが求められます。

ISOシステムの認証を取得し、社員を鼓舞することも一つの方法です。

品質や環境などへの積極的な取り組みについて対外的に認知されにくい中小企業が、第三者に認証してもらえば「自社の強み」として明確にアピールすることができます。このメリットが社員へのアピールにもなるわけです。

▪︎こんなISO導入では意味がない

ISOシステムを導入しても、次のような状況では意味がありません。

1.ISOシステムに過大な期待を持ち、導入すれば経営の課題解決や改革につながると思っている場合

→プロセスを綿密に設計し、よく考えて導入した場合であっても、経営者や社員が常に本来の趣旨に立ち返り、実効的な努力を積む態勢にもっていかなければ意味はありません。

2.認証取得が目的となり、取得すれば終わりと考えている場合

→認証審査を受ける「そのとき」だけ取り繕うのではなく、その本来の趣旨をしっかりと根付かせることが大事です。

3.要求事項を拡大解釈し、文書化にこだわりすぎて分厚いマニュアルをつくったが、ほとんど見られていない場合

→いろいろな社内規定は整備されたとしても、制度本来の趣旨がおざなりになってはいけません。

▪︎まとめ

意味のないISOシステム導入

・経営改革・社員の意識改革がすぐにできるという過度な期待をISO導入にかけること

・認証取得だけが目的となってしまうこと

・文書化に過度にこだわったり、文書量が増えること

・PDCAサイクルがうまく回っていない

・ISOシステムが現場の実態とかけ離れている

意味のあるISOシステム導入

・業務改善・改革のきっかけとする

・クレームの再発防止

・社員教育・モチベーションアップへの活用

・ミスを繰り返さない体勢づくり

・顧客満足を高める

・企業の社会的責任を果たす

今回も勉強になりました。

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「ISOマインド」って何だ?

こんにちは。株式会社TDSスタッフのJです。

先週勉強会がありましたので、その報告をしたいと思います。

勉強会でテキストとさせていただいている「入門の入門 ISOのしくみ」牧英憲・にゅう原恵二著では

「ISOマインド」という言葉が出てきます。

「ISOマインド」って一体なんなのか?それを今回はお伝えしたいと思います。

「いまや『公平・公正』『安全・安心』を国民が強く求める社会に変わってきています。ここ10年来、コンプライアンスや企業倫理、CSR(企業の社会的責任)など、新たなテーマがつぎつぎと登場し、企業のリスクマネジメントに対する関心が高まっています。」とあります。「入門の入門 ISOのしくみ」は2009年に書かれた本ですが、2017年となっても、この流れは変わらないのではないかと思います。

ネットで検索してみると、ソニーやソフトバンクといった大企業のホームページにも、企業倫理やCSRについて書かれてあるページがすぐに見つかります。

ソニーの企業倫理

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr_report/compliance/

ソフトバンクのCSR

http://www.softbank.jp/corp/csr/

にもかかわらず、リスクマネジメントをきちんとやっている企業は多いとは言えないのではないでしょうか。企業の大半が、近年起きている社会の大きな変化を見過ごし、従来のままの認識とやり方を続けているといった、リスクマネジメント意識の低さも指摘できます。中小企業にはまだまだリスクマネジメントの意識の低さがあるのではないかと思います。

話変わって、なぜ昨今、不祥事が明るみになるようになったのでしょうか?

「入門の入門 ISOのしくみ」では、二つのことが述べられています。

1.多くの企業で終身雇用や年功序列制度が崩れ、社員の企業に対する忠誠心が低下したこと

2.インターネットや電子メールなどの情報通信手段が普及し、告発しやすくなったこと。

告発するのは企業の社員だけではなく、下請けの取引先や一般消費者からの場合もあると思います。

さらに、公益通報者保護法の施行も不祥事告発の後押しをしていると述べられています。

公益通報者保護法とは?

2006年4月に施行された法律。クレーム隠し、リコール隠し、偽装隠しなどの公益に関わる通報対象事実を通報(告発)することで、その発生、またはこれによる被害の拡大を防止するため、必要と認められる者に通報を促すことを目的とした法律。公益通報をしたことを理由に、通報者が不利益扱いされることを禁止ししている。

この法律が施行されたため、内部告発がされやすくなった側面があるのですね。

さてここからが本題。

「入門の入門 ISOのしくみ」では、ここから「ISOマインド」という言葉が出てきます。

企業の不祥事や経営に関する事件・事故を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか?

企業の不祥事が発生したときであれば、「どうして不祥事が発生したのか→その原因は何なのか→その原因をなくすにはどんな対策を講じるべきか」と掘り下げ、処置がなされていく。

そのような不祥事が発生していないときにも、あらかじめそういう不祥事が起こることを想定し分析し要因を探っていくことが「ISOマインド」であると述べられています。

「さらにいま一歩進めて、不祥事や障害が起きる前に結果を想定し、それに対して考えられる様々な要因をあげ、一つ一つ丹念にリスク分析して根本的な要因を探っていく思考こそがISOマインドであり、ISOシステムの真の目的とするところと言えます。」

ISOマインド=コンプライアンス?

コンプライアンスは「法令順守」と訳されますが、その真の意味は、法令を守ることはもとより、社内ルールや社会ルールを守ること、倫理規範を守ること、企業の社会性を認識し社会的責任を果たすこと、人や社会に迷惑をかけないことなど、広義にわたります。

「ISOマインドは、このような広義の解釈をするコンプライアンスの意義と同じであり、社会に貢献しようとする心がけや行動と言えます。」と述べられています。

ISOシステムの導入により、企業不祥事の発生を防ぐ次のような効果が期待できる。

1.不祥事発生のさまざまな原因を理解できる

2.社員意識や職場の雰囲気と不祥事発生の関係を理解できる

3.不祥事予防対策の立案方法と進め方を理解できる

4.お客様の信頼をえるための職場意識作りができるようになる

◯企業不祥事の発生とISOマインド

・企業内ハザードとして、、、以下のようなことが考えられる。

 ・金儲け主義(消費者軽視で利益最優先)

 ・秘密主義(隠蔽体質)

 ・同族経営(独裁的な体質)

 ・上層部が絶対的な権力を保持

 ・幹部・社員が自己中心的

 ・ぬるま湯的体質と規律の不在

 ・自社ブランドへの驕り

 ・過去の栄光にしがみつく

これを放っておくと、告発がなされ、不祥事の発生発覚となります。しかし、「ISOマインド」があれば、

・不祥事の原因を理解することができる

・社員意識と不祥事の関係を理解することができる

・不祥事の予防対策の立案ができる。そしてそれを推進することができる

・顧客の信頼を得るための意識付けを行うことができる。

ISOマインドを持って会社経営を行うことの素晴らしさを学ぶことができました!

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